QRコードの金属への高温焼成転写技術(メタルデカール)のご紹介
現在当社で開発中の「メタルデカール」について紹介します。
開発の目的
従来金属への加飾などは有機材料を利用して低温で処理し接着するもの、レーザーを利用し表面加工する方法などがあると思われます。これらの方法は温度による環境の変化、また経時変化に弱いと思われます。 そこで無機顔料を利用して高温で接着し、環境の変化、経時変化に強い金属用転写紙を開発し、QRコードなどを焼き付け、品質管理、トレーサビリティなどに利用することを目的としています。
加工方法
- 転写紙を水につけ、画像部分を金属面に貼り付け、水分を除去し乾燥させる。
- 転写紙を貼った金属を還元環境の窯で焼成する。※金属の焼き入れ時に使用する窯
- 焼成条件…金属により条件の適正を探す必要がありますが、ある金属では980℃ 1時間で焼き付けています。
特長
- 無機顔料による高温焼成のため経時変化による劣化が少ない。
- 過酷な環境においても劣化が少ない。
- 転写紙のため任意の個所に貼ることができる。
- スクリーン印刷を利用するため多品種、少ロットに適している。
- 転写紙は長期保存できるため必要時に簡単に加工できる。
デメリット
- 手作業の工程があるためコストが上がる。
- 大量ロット生産には向かない。
- 真空洗浄、蒸気洗浄などの脱脂処理がある場合剥離現象が起きる。
- 高温の環境を繰り返すと剥離現象が起きる。
※980℃ 1時間を10回焼成で剥離現象が起きた。 - 還元焼成のため発色は「クロ」のみである。
メタルデカールは開発中で、一部の金属への接着は可能ですが、他の金属へのテストがされていない状況です。
現在、用途開発、利用できる市場を探しています。
ご興味のある方はお問い合わせください。